「走り幅跳び」を上達させるための重要な三要素は、「踏み切り」、「助走」、「着地」であるのですが、今回は「着地」について述べます。

着地のポイントは、損失を最小限にとどめていかに距離を確保するかです。

要素としては、目線が常に前になるようにして、まず「足の振り出し」、次に「腕のスイング」、最後に「かかとにお尻に近づけて体を滑り込ませるタイミング」などが重要です。

着地だけ見ても、走り幅跳びの記録は20~30cmも違います。

初心者では、50cmになることもあります。

目線は常時前にして、手と足の動きが違いますので注意して下さい。

手足の動きが微妙にアンバランスになると、てきめん記録にすぐ現れます。

あるいは、毎回距離が異なるというばらつきが出てくることになります。


1. まず足を振り出します

走り幅跳びではできるだけ遠くに跳ぶために、踏み切った直後に、手を前方に向けて、「空中で膝をかかえるように」します。

次に、L字になるように両足をできるだけのばして足を振り出します。

空中での足の振り出しは、膝を抱え込んだ分だけ伸ばすイメージです。

ここでは、日ごろ鍛えた腹筋力が威力を発揮致します。

抱え込んだ分以上を伸ばすのは難しいでしょう。


2. 上達するには腕をすばやくスイングしましょう

一方、腕や手の動きを見ますと、最初前方にあった両手を上から下に意識的にすばやく動かします。

これは、足や太ももの動きと連動していなければ距離をかせぐことができません。





3. かかとにお尻に近づけて体を滑り込ませるタイミングが重要となります

両手を後ろへ持っていき、かかとから着きます。

と同時に、かかとにしりを近づけて、かかとで砂を蹴り上げるようにして尻を滑り込ませるのです。

このときは、手は前にきます。

このタイミングは1/10秒オーダーなので、初心者の場合は、手の的確で俊敏な動きでリードしカバーするようにしましょう。

この3つの重要な訓練は、上達には必須で「砂場」でイメージトレーニングを十分に積みます。

スローモーションの感覚です。

みかん箱など利用して、下半身の動きが「かかと」→「お尻」→「砂キック」の順になるように着地練習をします。

とにかく、イメージを習得することが、非常に重要なので、 高いところから飛び降りながら形をつくる練習を試みるのが良いと思います(踏み台、跳び箱、少し難しいがトランポリンも効果が出ます)。

特に、一番重要なのは、一連のプロセスのなかで、一番不得手なあるいは苦手なところをどうするかです。

これは、体の柔軟性や基礎体力が固まっているので、これを解きほぐすような地道なトレーニングが必要となります。

瞬時の動きなので、トレーニングしてもなかなか実地に取り入れるのは時間と根気がかかります。

たとえば、「空中で膝をかかえるように」といっても、頭が両足にできるだけ接近できるように工夫しなければなりません。

このようにして、細かい動作の要素が連結されて効率的な「着地」に結びついていくのです。