「走り幅跳び」での「助走と踏み切りの連携プレーのやり方とコツ」について説明します。
1. 「助走と踏み切りの連携プレーとは」
”助走”と”踏み切り” 両者がかみ合って生み出されるダイナミックなジャンプは最も重要で上達への近道です。
走り幅跳びでは、助走のスピードを活かしていかに遠くへ跳べるかを競います。
助走の「スピード」に加え、踏切線ギリギリで踏み切るための「正確性」が求められる難しい競技です。
助走、踏み切り、ジャンプ、着地の4つの動作がうまく連動して良い記録が生まれるため、選手たちは助走の距離やリズム、跳躍フォームや着地姿勢など、あらゆる点で自分に合った最適な跳び方を模索して練習を重ねます。
全身をばねのように使い、ダイナミックに宙を舞う選手の姿は圧巻です。
2. 走り幅跳びの踏み切り前動作について
助走路は、幅1.22m、長さ40m以上ですが、4歩前にペグ(マーク)を置きましょう。
なぜならば、”踏切板に足が合うかどうか”は、”4歩前の接地位置が合うかどうか”と、ほぼ同じように判断できるからです。
客観的に4歩前の接地を見て助走の立ち位置を修正すると、不思議と踏切板との接地も合いますので、ファールをしなくなります。
選手が踏切板を意識すると、うまくいかないことが多いです。
うまくいかないとは、「踏切板にあわせているのに、足が合わない」とか、「スピードに乗らない」ことです。
それは助走の最終局面に踏切板を意識してあわてて修正しても、手遅れだからです。
助走を40mくらい走ると、10mくらいで踏み切り板が目にに入ってしまいます。
頭で踏み切り板まで残り7m・・・5m・・・3m・・・1m・・・いま! ということを少しでも考えてしまうと、もはや100%身体能力を発揮することができません。
選手は「このままいったらファールする」「このままいったらちょうどいい」という感覚がなんとなく分かってしまいます。
そこから”自分で足をあわせてしまう”ことをしてしまいます。
助走で得たスピードを、踏み切り前に無意識で足を調整することで減速させるのはもったいないです。
踏み切り前の助走は、踏み切り動作につなげるための準備区間です。
この局面を大切にするかどうかで、跳躍につながります。
そういった意味では、「助走」はラスト4歩前までといえるでしょう。
標準的な一歩がだいたい2mくらいになりますので、男女の違いや競技力の違いからその差は生まれますが、4歩前の接地はおよそ7.5m~9mくらいになります。
その位置が合えば、スムーズに踏み切り動作に入れます。
●重心の落としについて
踏み切りで角度をつけて飛び出すためには、踏み切り前に重心を落としておく必要があります。
ここで重要なのが、前もって踏み切り足をしっかり前に置き、すでに重心が下がった状態から踏み切りへ入ることです。
踏み切り一歩前が接地した瞬間に既に重心が下がっている必要があります。
理想的なジャンプをするために必要なのが、重心の落とし方ですが、これは走り幅跳びなどにみられる非常に特殊な走り方です。
だめな走り方の例としては、垂直跳びのように踏み切りの瞬間に重心を落としてしまうことです。
地面に対してより垂直に接地してしまいますから、衝撃で助走スピードは減速してしまいます。
これが踏み切りの失敗の原因となってしまいます。
他にも、踏み切りの一歩前が接地してから重心を下げようとすると、減速してしまいます。
踏み切り1歩前の減速をいかに押さえるかが上達するために非常に大切になってきます。
ブレーキをかけないスムーズな走りが求められますので、短助走の練習などで意識しながらトレーニングをしましょう。