「走り幅跳び」での「踏み切り動作のやり方とコツ」について説明します。


1. 「踏み切り動作のやり方」に対する考え方

踏み切り動作はランニングフォームの延長で練習しましょう。

走り幅跳びの踏切では、助走スピードにすこしブレーキをかけるようにして、踏切でつっぱったほうが、記録がよくなるというシミューション計算があります。

そのことに刺激され、走高跳の踏切についてのシミューションモデルを組みたて、力学的なしくみを研究しました。

そして、跳躍の踏切における「かかし抗力」と「スプリング抗力」の違いを発見したのです。

この「かかし抗力」が、水平な助走スピードを利用して、鉛直方向のスピードを生み出すものです。

走り幅跳びでは、水平スピードもある程度残しておきたいので、一部を変換するということになります。

有名選手は、ほとんど「かかし抗力」を利用していないときに好記録を生み出しているということが分かります。

水平スピードにブレーキをかけない「スプリング抗力」だけを利用して跳ぼうとしているのです。

走るのが遅くて、走り幅跳びでは6mをわずかに超えるくらいしか跳べなかったのですが、ある日のトレーニングで、6m30以上を跳ぶことができたのです。

そのときの踏切の感覚が、「スプリング抗力」だけを利用したものだったと思われます。

そのときの踏切の感覚というのは、自転車に乗っていて、地面に落ちている木の枝を踏んでしまったときの、ゴツンと上に弾けるということに近いものでした。




「瞬間的に真上にゴツン」です。

「かかし抗力」を使うか「スプリング抗力」だけに頼るかという、踏切のメカニズムに関して、もう一つ上達する方法があります。


2. 高速ランニングフォームを使いましょう

「高速ランニングフォーム」の動きにより、「急に速く走れるように」なります。

踏切ですこしブレーキをかけて、ほどよく高く跳び「かかし抗力」を少し利用するタイプです。

助走スピードが、驚くほど速く、そのため、踏切での「かかし抗力を使った、つっぱり踏切」ができず、まるで、ランニングフォームの動作を少しオーバーにしたような動きで、「スプリング抗力だけをつかった、踏切板の真上へと伸びあがる踏切」をやるのです。

走り幅跳びの初心者におすすめなのは、「すこし踏切でつっぱる」ことにより、スピードは少し減りますが、少し高く跳び出すというスタイルです。

しかし、このままでは、やがて記録の伸びが停滞します。

助走スピードを大きくする努力を続けつつ、少しずつ、「踏切の最初で、つっぱらずに、踏切位置の真上で伸びあがり、瞬間的にゴツンと感じる」というスタイルを追い求めてゆくべきです。

踏切板の上で、瞬間的に「のびあがる」能力が、とても重要なものとなるということが、これによって分かります。

このようにして、踏切における「かかし抗力」と「スプリング抗力」を常に考えてよく練習しましょう。

間違いなく上達します。