「走り幅跳び」を上達させるための重要な三要素である「踏み切り」、「助走」、「着地」の基礎について順に説明します。

今回は、「踏み切り」です。

少しずつ、深く広く内容に切り込んでいきます。

この踏み切りは、助走後の次のアクションです。

ここでは、「助走からの速度エメルギーの方向転換」、「踏み切りの瞬間に踏み切り足をリード足が越えているか」、「踏み切り板(ライン)を絶対出てはいけません」がポイントになります。


1. 助走からの速度エメルギーの方向転換

走り幅跳びでは、「助走からの速度エメルギーの方向転換」ということが必要になります。

これは上達するための関門の一つです。

それは、助走は水平方向ですが、踏み切った途端に瞬時に跳ぶ方向にエネルギーが転換されます。

ベクトルで考えるとわかりやすいですね。

助走速度が速い分だけ運動エネルギーが高く、このまま方向転換できれば跳ぶエネルギーが大きくなります。

この方向転換を、クイックにするためには、踏み切り足は「べた足」でつくことが要求されます。

もし、かかとが板についていないと(すなわち、爪先立ちになるほど)、かかとと板の距離の分のエネルギーが方向転換されずにその分だけ跳ぶエネルギーがロスします。




その結果、その分遠くに跳ぶことができなくなるからです。


2. 踏み切りの瞬間に踏み切り足をリード足が越えているか

当然の話ですが、踏み切りの瞬間にリード足が踏み切り足を早く越えてないと、遠くに跳ぶことができません。

そのためには、踏み切り足もリード足も両方の足を練習で鍛えておかないとその機能を発揮できません。

この練習を、平地で行うときは、早足歩きや全速力での100メートル走が有効です。


3.踏み切り板(ライン)を絶対出てはいけません

これは、走り幅跳びのルールで、踏み切り板(ライン)を少しでもはみ出すと、ファウル(失格)になります。

ファウル防止はなんといっても何度も何度も練習しかありません。

横から第二者に見てもらうのが一番確実です。

安全をみて、踏み切り板の端の手前になればなるほど記録に微妙に影響します。

これは、体得するしかありませんが、人によっては助走の「歩数」管理も良い方法です。

この歩数のお話は別の項で解説いたします。

このようにして、踏み切り練習の積み重ねが、結果として走り幅跳びの記録に結びつき、徐々に上達していきます。