「走り幅跳び」の跳び方の基本となる「踏み切り直前の助走のやり方とコツ」について説明します。

踏み切り直前の助走は重要で、その速度が跳ぶ距離を支配しているからです。

早ければ早いほど遠くに跳べるのです。

助走スピードは踏み切り時までに徐々に上げていきます。

全力まであげますが、踏み切り時にスピードが落ちてしまうことがあります。

リズミカルなスピードアップが大切です。

このようにスピードが徐々に上がっていくことを「助走の流れ」と言います。

この流れが走り幅跳びの記録向上のためには大変重要になってきます。


1. 「助走の基本的なレビュー」

助走は、最適なスピードを獲得する必要があります。

上級者ほど全力に近いスピードで踏み切ることができますが、初心者にはまだリズミカルで加速的な走法がいいでしょう。

これがスタート時の前傾姿勢接地足の上に頭がくる位置で走る、上半身は縮めて腹筋にバネを感じる様な姿勢で走るのです。

上半身は縮める感じひざは水平まで上がる空中で下半身の切り替え動作を意識します。

踏み切りのイメージで走り、目線は前方におき、頭の真下で接地し、リード足のかかとは軸足のひざの横にあり、軽い前傾姿勢で、地面はけるというより「とらえる」という感じ(べた足)で走るのです。

踏み切りをイメージすることが非常に大事です。


2. 「踏み切り直前の助走」はなぜ大事か

筋肉が力を出そうとしてから、最大の力に達するまでには、通常0.3秒~0.4秒かかると言われています。
走幅跳の踏切では、踏切時間は約0.11~0.12秒程度と非常に短くなります。

これだけの短い時間の中で、筋肉の力に頼った跳躍をしようとすると、がんばって力を出そうとしても、力を出し切る前に、足が地面から離れてしまいます。

後ろに蹴ると、強い踏切になりません。

走幅跳踏切中の地面反力(踏切脚で地面を押した力)、特に縦方向の力が重要となります。




最初の山のピークは、踏切脚の接地時の衝撃力です。

この値は大きくなっても、跳躍距離には影響を与えません。
二つ目の山のピークが、身体が正味に発揮した推力となり、跳躍距離と高い相関関係があると言われています。

これは、踏切の接地と離地の丁度真ん中あたりで表れます。

走幅跳の踏切動作がスティックピクチャーで表れるのは、踏切中、膝が最も屈曲する局面ということになります。

一見、踏切の後半で膝と足首を伸ばすことによって、身体重心を持ち上げているようにも見えますが、踏切の後半の縦方向の力の値は、低くなる一方です。

大事なのは、踏切足が接地してから、踏切の前半の局面であると言えます。

身体重心の軌跡をよく見ると、この踏切前半の局面で、上方に曲がっていることが分かります。

踏切脚の接地は、「足を置く」ことです。

最初のピークが大きくなっても、跳躍距離とは関係ないですが、大きくなりすぎると、跳躍距離が低くなってしまいます。

接地時に、地面を叩いたり、引っかくような動作で接地すると、そういうことが起こりやすくなります。

強く地面を押したい時、上から叩くように接地した方が良いような気がしますが、実際には、余計な衝撃が増えるだけで、力強い踏切にはつながりづらくなります。

一方、接地のブレーキを少なくするには、前からひっかくように接地した方が良いような気もします。

しかし、実際には、力が地面に伝わりづらくなることで、抜けたような跳躍になりやすくなります。

踏切では、助走で得たスピードを利用して地面を押すため、接地の瞬間は静かに「足を置く」という動きが大切になります。

特に走幅跳では、助走の最後の1歩が極めて重要です。

ヌカート動作を行うことで、地面に大きな力を加えやすい体勢で接地しやすくなります。

このようにして、踏み切り直前の最後の一歩に注目することは、上達の極意です。