「走り幅跳び」を上達させるための重要な三要素である「踏み切り」、「助走」、「着地」のうち今回は、「助走」について説明します。

この助走後に踏み切りの大事なアクションがあります。

ここでの上達ポイントは、「踏み切り直前の最大速度の確保」、「踏み切りまでのリズム感とバランス感の重要性」、「頭から足までの一軸一体感」になります。


1. 踏み切り直前の最大速度の確保

走り幅跳びで遠くに跳ぶためには、「助走からの速度エメルギーの方向転換」が重要です。

そのためには、助走最後の瞬時の段階で最大の速度でなければなりません。

この最大速度では、0.1秒速ければ15~20メートル遠く跳ぶことができます。

この助走で最大速度を得るために、短距離で走力、すなわち走る速度をあげる練習をしなければなりません。

土またはトラック上で、風向き、温湿度、暑熱、寒さ、小雨などのいろいろな環境下で、走力を最高にあげられるよう走りこまなければなりません。

プロのアスリートは最初から全速力ですが、アマチュアではなかなかそうはいきません。

特にアマチュアでは、踏み切りを適切にするために、この助走でリズム感とバランス感が必要になってきます。


2. 踏み切りまでのリズム感とバランス感の重要性

特に助走の最初の段階では、リズム感とバランス感で調子を整えて置かないと走っても最高速度がでません。

たとえ最高の速度が出たとしても適切な踏み切りにつながらないのです。




このリズム感やバランス感は、人それぞれ固有のやりかたやくせや特徴がありますが、練習や競技を通して徐々に自分にあった方法を体得していくかありません。

正確な助走をするためには最初の一歩がとても重要だと思います。

たとえば、助走のスタート時に、片手をあげる、両手をだらんと下にさげる、軽いランニング、軽いスキップ、静止した状態などもそうです。

小声で何かつぶやく人、歌を歌う人、みんな手を変え品を変えて工夫してやっています。

どの辺から全速力にするか、加速させるかいろいろと検討します。

全速力の前後では走るフォームが違います。

気持ちを落ち着かせて助走して、最高の踏み切りを迎えて、とにかく遠くまで跳ぶためです。

すなわち、助走がうまくいかないと結果的に走り幅跳びがうまくいきません。


3. 頭から足までの一軸一体感

助走での走る姿勢は、通常の走るフォームとは少し異なります。

上半身が前かがみ過ぎないで足が後ろに流れないようにします。

重心を少し落として、頭を中心とした円柱中にできるだけ入るようにして、どっしりとすばやく走るのが効率的です。

一体となって走ることは、再現性のある走法となり、安定した走力となって、少々環境条件が変わっても、好記録につながるものです。

なんといっても記録のバラツキがなくなります。

そのためには、助走の前半では歩幅は大きくてもいいのですが、加速させる時点では歩幅を狭くして最大速度でコンパクトに走るとよいと思います。

このような助走での独特の走り方は、練習、訓練、競技を通して徐々に習得していきます。