「走り幅跳び」の跳び方の基本となる「助走歩数のお話」について説明します。
まず助走距離は、「長さ」ではなく「歩数」で数えます。
一般的には16歩から20歩くらいでしょう。
歩数が、奇数か偶数かは、スタートの足や、数え方によって変わります。
1. 「助走歩数の3つの局面」とは
走り幅跳びの助走は、大きく分けて3つの局面があります。
「スタート」、「加速」、「踏み切り準備」です。
この局面にあわせて、さきほどの歩数を分けます。
「スタート」は最初の4歩か6歩のことをさします。
ここで助走のための勢いと姿勢をつくります。
「加速」は、「スタート」と「踏み切り準備」の間の8歩から12歩くらいのことを指します。
スタートで姿勢を作ってから、この間で踏み切りのためのスピードをつけます。
そして「踏み切り準備」となります。
これは4歩か3歩です。
なぜ二種類あるかというと、人によって何歩目から「踏み切り準備」を始めるかが違うからです。
踏み切りのリズムが、「タッタターン」(またはダッダダーン)なら3歩です。
或いは「タッタッタターン」(またはダッダッダダーン)なら、4歩になります。
それぞれの局面の歩数を足した数が、自分の全助走の歩数です。
たとえば、スタート4歩、加速10歩、踏み切り準備3歩なら、全助走は17歩です。
それで、歩数を決めて何をするかというと、本番でそれを数えながら助走するのです。
最初は難しいと思いますが、繰り返すうちにリズムが頭に染み付いて、自然にカウントできるようになります。
初期の段階では、助走歩数は上達のために避けて通れません。
がしかし、実際の走り幅跳び競技では、踏み切りの瞬間まで頭の中で数えている人はあまりいません。
加速も半分適当です。
実は、きちっと数えるのはスタートの数歩くらいです。
2. ファール防止にマークを使用しよう
このスタートを正確なものにするために、選手が使用できるマークを活用します。
マークは最大で「2個」使えるので、まず一つ目は助走のスタート地点に置くとします。
そして、2個目のマークは、スタートの終わり(たとえば4歩目)の地点にマークを置きます。
そうすると、4歩目までは正確な助走をすることができます。
4歩目がマークの地点よりズレていたら、助走をやり直せばいいのです。
実は、これだけでかなりファールの危険性を回避できます。
助走のズレは、大体最初の数歩で起こるからです。
だから、スタート直前の心の落ち着きや冷静さが助走成功のカギを握っています。
つまり、自分の歩数を知ること、スタートを正確にすること、この二つがポイントとなります。
このようにして、助走歩数やマークにより、踏み切りで最大のエネルギーを爆発させて遠くへ跳ぶことができるのです。
これらも、上達のカギの一つになります。