「走り幅跳び」での「助走の三つの局面のやり方とコツ」について説明します。


1. 「記録を伸ばすためのポイント」

走り幅跳びの記録を伸ばすための上達ポイントは、① スピードある助走、② 高さのある踏み切り、③ トトーーンの踏み切りリズムの三つです。
助走から踏み切りまでのリズムを音で表すと、トン トン トン トン トン ト トーーン です。

最後の2歩を素早く強く、階段を駆け上がるイメージで踏み切ることが大切です(結果的に助走ラスト1歩の間隔は狭くなる 10cm~20cm)。

このトトーーンで「タメ」をつくることがジャンプの高さにつながります。

さらに、助走のスピードは後半ほどスピードアップします。

ただし、前半から全力で、同じテンポで助走に入らないと踏切が合わなくなります。

助走の前半は力をぬいて走るのではなく、リラックスして走る、といった表現が合っています。

「走り幅跳びの助走は100mを走るのではなく、200mを走るイメージで」が良い結果を生みます。


2. 助走の三つの局面とは何か

まず助走距離は、長さではなく歩数で数えてください。

初心者なら16歩から20歩くらいが一般的でしょうか。

歩数が奇数か偶数かは、スタートの足や、数え方によって変わります。

走り幅跳びの助走は、大きく分けて3つの局面があります。

それは、「スタート」・「加速区間」・「踏み切り準備」です。

この局面にあわせて、さっきの歩数を分けます。

スタートは最初の4歩か6歩のことをさします。

ここで助走のための勢いと姿勢をつくります。

加速区間は間の8歩から12歩くらいのことを指します。

スタートで姿勢を作ってから、この間で踏み切りのためのスピードをつけます。

そして踏み切り準備となりますが、これは4歩か3歩です。

なぜ二種類あるかというと、人によって何歩目から踏み切り準備を始めるかが違うからです。

踏み切りのリズムが「タッタターン」なら、3歩です。

人によっては「タッタッタターン」なら、その場合4歩になります。




それぞれの局面の歩数を足した数が、自分の全助走の歩数です。

スタート4歩・加速区間19歩・踏み切り準備3歩だったので、全助走は17歩でした。

それで、歩数を決めて何をするかというと、本番でそれを数えながら助走するのです。

だから、「1・2・3・4、1・2・3・4・5・6・7・8・9・10、1・2・3」です。

最初は難しいと思いますが、練習を繰り返すうちにリズムが頭に染み付いて、自然にカウントできるようになります。

とはいえ、実際の競技で踏み切りの瞬間まで頭の中で数えている人はあまりいません。

加速区間も半分適当です。

実は、ちゃんと数えるのはスタートの数歩くらいです。

このスタートを正確なものにするために、選手が使用できる「マーク」を活用します。

マークは最大で2個使えるので、まず一つ目は助走のスタート地点に置くとします。

そして2個目のマークを、スタートの終わりの地点にマークを置きます。

そうすることで、4歩目までは正確な助走をすることができます。

4歩目がマークの地点よりズレていたら、助走をやり直せばいいのです。

実は、これだけでかなりファールの危険性を回避できます。

助走のズレは、大体最初の数歩で起こるからです。

長くなりましたが、つまりは自分の歩数を知ること、スタートを正確にすること、この二つがポイントです。

これだけでかなりファールしにくくなります。

最後に、ジャンプに関する一般的な覚え書きを少しだけ記載します。

●踏み切りは足裏全体で接地する感覚で、体は曲げないようにすること。

●踏み切った後は、踏み切り足と逆の足(リード足)を大きく引き上げる。

●跳んだ後は、自分の靴の裏を前の人に見せる感じにする。

●着地の瞬間、体をつぶして前にのめる。

足を伸ばしたまま、後ろに尻餅をつくことがないようにする。

では、6mを目指してがんばりましょう。

このようにして、助走の三つの局面を考えてよく練習し、記録を伸ばし上達しましょう。