「走り幅跳び」での「走り幅跳びがうまくいかない原因と対策」について説明します。


1. 「走り幅跳びがうまくいかない原因と対策」

走り幅跳びが上達するために、うまくいかない原因として考えられること(○)と、その対策(●)を羅列します。

(1)助走があわないのです。

○助走の歩数を知らないのです。

○ストライドが不安定です。

○助走の出だしの歩幅が一定でない。

○最後の一歩までスピード(ストライド)を上げている。

○スピードで跳ぼうとする意識が強すぎる。

●レベルに応じた歩数を知る。

初心・初級者 : 9〜11 歩、中級者 :11〜13 歩、上級者 :13〜17 歩が目安です。

● テンポ走等で、ストライドを一定にした走り込みをする。

● 出だしの 1、2、3 歩目にマーカーを置く。

* 競技会で使用できるマーカーは 2つなので要注意です

● 助走を3段階に分け、各段階をイメージした練習を行います。

(2)高さがでない、跳躍距離が出ない

○ 踏み切り時に腰が入らない。

○ すぐに跳躍フォームへと移ってしまう。

*両腕を後ろに引く

○ つま先で踏み切ってしまう。

○ 踏み切らずに、駆け抜けてしまう

*起こし回転が使えない

● 踏切板を使い短助走からの跳躍練習をする。

*踏切板は、バネのない跳箱用がよい。

● 疾走フォームを維持しながら踏み切って跳び出す。

● スキップドリル等で、踏み切り姿勢の確認をする。

*横から見て一直線になっているか確認する。

● 踏み切りは、踵から入るイメージでフラットに入る。

*足裏全体で踏み、地面から反力をもらう。

歩行ドリルや短助走跳躍

「踏み切り→跳び出し→伸び」の部分を強調した練習をする。

(3)跳躍フォームができない

○ 上体(腕や肩)を使った助走ができないため、腕の動きが遅れたり、中途半端なフォームに
なる。

○ リード脚が振り遅れ、踏み切り脚だけで跳ぼうとしている。




● 助走をきちんと走る。

● 腕振りを強調して助走する。

● 踏切板を使って、駆け込んで踏む感覚を身に付ける。

*踏切板上はまだ走っているイメージを持つ。

(4)着地でしりもちをついてしまう

○ 上体のかぶせ方が十分でない。

○ 助走スピードが不足している。

● 腰から折るイメージを持つ。

● 助走距離を伸ばす。

● 踏切前にリズムアップする。

● 着地寸前で両腕を後ろに引いてお尻を踵に近づける。

●助走のイメージは3等分にして考える。

()加速部分・・・・・前傾を強くし、ぐいぐい進む。

()トップスピード部分・・十分な加速に乗った後の等速運動であり、ストライドとピッチを一定にする。

()踏み切り部分・・・スピードを生かして、キレのある踏み切りにする。

無駄な力を抜き踏み切り板に駆け込む(乗り込む)


2. 対策の補強を高めるトレーニング

☆ラダーを使ったアジリティートレーニング

踏み切り前の素早い捌きを身に付ける練習。

☆マイクロハードル走

ストライドを保ったままピッチを上げる練習(ストライドの目安:身長 15〜±0cm)。

☆ハードル走

踏み切りの強化を図る練習で、また、ストライドを安定させる(低ハードルや短インターバルでもよい)。

☆マット運動

ボディーイメージを高める練習で、補助倒立、側方倒立回転、倒立 T 字バランス等があります。

☆鉄棒運動

身体に力を入れ、また、そのタイミングを習得する練習で、逆上がり、蹴上がり等があります。

☆スキーやスケート

重心を感じる、とらえる練習。骨盤や股関節のポジションを感じる。体の真下(鉛直方向)に重心を置く。

雪面や氷をエッジでタイミングよく押すことが陸上競技の「走り」と共通し、「乗り込む」「強い踏み切り」が意識できます。

このようにして、走り幅跳びがうまくいかない場合は、一つ一つ原因究明して対策をとり、一歩づつ着実に上達しましょう。