「走り幅跳び」での「精神面強化のやり方とコツ」について説明します。


1. 「精神面強化」に対する考え方

メンタルが弱く、スランプのときは、全く結果が出ない経験の持ち主が走り幅跳びでは数多くおられます。

練習のときはすばらしい記録だったのに、インターハイや県の大会などで思ったような記録がでないことがあります。

つまり無心で競技に取り組めていたので、何も考えず、何も恐れず競技に集中できて上達していたのです。

それが、よい指導を受けられる先生に出会ってからスランプを脱し、また成績も上がっていくようになったのです。

環境の変化に伴うメンタル面の変化があると考えられます。

無心で競技に打ち込めていたのに、そうでなくなってしまったのは何が起因していたでしょう。

自主性がさほど尊重されず、そうした雰囲気に大きなショックを覚えたことです。

人間関係にしても気を使い、競技に専念できなかったという感じでした。

練習方法にしても、すべてがマニュアル化されており、ウォームアップからクールダウンまで全員一緒に全く同じようにするというスタイルでした。

今の自分に何が欠けていて、それを補うためにはどうすればよいかを選手自身が考える作業が必要なのです。

全員一律に従った形で練習をこなしていくことに、精神的に耐えられなくなってしまったのです。

そういう練習方法を選択しなければ全員が効率よく練習できなかったのだと思います。

そうした雑念や不満を抱いて競技を行っていると、「いったい自分はなんのためにハイジャンプをやっているのか」という疑問もわいてくるのでしょう。

試合などでもそうしたメンタル面での影響は見られたのでしょうか。

あのころは、1本目の跳躍はとてもよい状態で跳ぶことができましたが、それ以外は全部悪かったのです。

1本目は、自分の意地やプライドも働いてそこそこよい跳躍ができていたようです。




それ以外での跳躍でも同じように挑んでいるつもりなのですが、実はトーンダウンしていたのです。

これは、気持ちが乗っていると私は無意識のうちに跳躍前にジョギングしたりジャンプしたりして、身体を機敏に動かしているらしいのです。

おそらくハイジャンプに対する楽しみや、目的意識のようなものが薄れていたのでしょう

やはり自分の意地やプライドだけでは気持ちを持続させるのは困難ということです。


2. 集中力を喚起する

決まった動作を意識して行うことで集中力を喚起することで、上達していきます。

まず個人競技はいずれもメンタル面の強さが要求されるように思われます。

そこからが本当の意味でのメンタルの強さが要求されます。

無心で跳べつづければよいのですが、『自分の限界にきた。もうダメかもしれない』と思ってしまうと、「あきらめの気持ち」が強まって跳べないです。

逆に『自己ベスト以上にまだまだ跳んでやろう』という強い気持ちを急に抱いてしまうと、それが「身体の力み」につながり失敗してしまいます。
練習で、動き自体では5mを跳べるという感触を得ているのですが、大会で結果が出ないというのはメンタルの弱さなのでしょう。

自己ベストまでは、無心で跳べていたのが、その高さを前にすると雑念ばかりがわいてくるのです。

すると課題は、そうした雑念を生む要素をいかに消していけるかになります。

それができれば、長さに対する限界値をどんどん広げていくことができるはずです。

その数cmを跳べるかどうかは、『あ、もう能力の限界だ』と心で決めつけるかどうかの違いなのです。後数cmと考えることが、重要なポイントです。

だから今後は、大会でもドンドン長さにチャレンジして、『自分は5mでも跳べるだけの力を持っている』という自信を心の中に植えつけること(暗示)によって、「無心」を維持していきたいと思っています。

このようにして、走り幅跳びでは、暗示と無心を心に秘めて常に考えてよく練習しましょう。