跳び方にはいろいろあります。

かがみとび、そり跳び、背面跳び、はさみ跳びなどです。

今回は、「はさみ跳び」について解説します。

この跳び方は7m以上の上級者に適しています。


1. 「はさみ跳び」とは

手足をランニング動作の延長で動かし続けます。

踏み切り時の前に投げ出される勢いを、手足を動かすことによって打ち消して着地動作につなげていきます。

1回半、2回半、3回半など選手によってさまざまです。

最初は、1回半からトライした方がよいでしょう。

はさみ跳びの空中での動きにはコツがあり、着地で脚を前に大きく放り出す姿勢がとれるようにすることが重要です。

踏み切ったら、身体を真っ直ぐにして、振り上げ脚を大きく前方へ出して、更に1回転させて着地します。

踏み切った足も回転させます。

はさみ跳びでの空中姿勢では、両腕の動きも大切で、前から後ろに大きく動かして空中での溜を作るようにして、可能な限り両足を前方へ放り出すようにします。

はさみ跳びは、走り幅跳びの他の跳び方と比較して、助走スピードを活かせるというメリットがあり、空中を走り抜けて行くように見えます。

滞空時間が長くなければいけないですし(踏み切りでの速度が必要です)、脚を空中で回転させる技術や筋肉なども必要になってきます。

更に、前後に回転させた脚を着地地点で揃える技術も必要になってきます。

また、上向きの目線も重要なポイントとなります。

空中では目線が着地点にいってしまいがちになりますが、目線が下を向くと、空中での着地の為の脚を前に放り出す脚が前に出にくくなってしまう。




これは、かがみ跳びでも反り跳びでも同じで、踏み切り後は、まず上を見るようにすることがコツで、上体が被ってしまうのを防ぐことにも繋がります。

いずれにしても、はさみ跳びは着地の時に、「脚を前に大きく放り出すか出さないか」で記録が大きく変わってしまいます。

ここが、上達のポイントになります。

なお、はさみ跳びは高い技術が要求されるので、走り幅跳び初心者の方は、まずはそり跳びを目指して、踏み切りや着地がしっかり出来るように技術をマスターしてからはさみ跳びに取り組むと良いでしょう。

ひざを曲げて前上方へふり出した脚は、腰をのばして空中にのび上がるような感じでひざから下を振り下ろすとともに、踏切り脚のひざを曲げながら前方に引き出し踏み返るようにします。

下へ振り下ろした脚は、ひざを曲げたまま前に出して踏切り脚にそろえ、両ひざをのばしながら着地に移ります。

このときに、両腕も両脚の動きに合わせてリバースが行われます。


2. 空間動作の補助練習

空間を作りだすことが難しいので、上達するために跳び箱の上で練習します。

両脚の踏みかえ練習では、跳び箱の上で踏切りを行い、空中での時間を長くして、これを身につけるようにします。

とくに、空中での時間時間キープのイメージをしっかりと体得しなければいけません。

はさみ跳びの場合は前上方へふり上げた脚をふりおろすための目標(例えばボール)を適当なところにおいて行うようにします。

このようにして、はさみ跳びの練習の積み重ねが、結果として走り幅跳びの記録に結びつき、徐々に上達していきます。