「走り幅跳び」での「記録を改善するやり方とコツ」について説明します。
記録を改善するやり方の一つに、練習の最適化があげられます。
Contents
1. 「最適な練習」に対する考え方
肉体的にも精神的にも負担をかけすぎないのが最適な練習で、確実に上達します。
素晴らしい素質や才能を持っていても、メンタル面でつぶれていく選手も少なくありません。
たとえば、指導者との出会いが幸いすることもあります。
その基本方針は、最適な練習を追い込まずに楽しく行うというものです。
最適な練習とは、肉体的にも精神的にも過度の負担がかからない練習のことです。
そして、楽しくやるというのは、その競技の真の面白さを理解し、そのうえで上の目標をひとつずつ達成していく喜びを味わうという意味です。
おおかたの競技種目では、よく食べてトレーニングして筋力をつけますが、走り幅跳びは筋肉をつけすぎてはいけないのです。
もともと重力に逆らって行う競技で、瞬発力が最も要求されるので、しっかり休養をとって心身ともにリフレッシュした状態で臨むのが理想なのです。
不思議なことに身体はリフレッシュしていても心がばてていてはキレのいい動きはできないのです。
少人数で、そういう方針だったので、跳びたいときには思いっきりやって、休むときは心身ともに十分な休養をとっていたので、メリハリのある競技生活を送ることができます。
―確かに、常に新鮮な気持ちで「ああ、跳びたい」と思える状態をつくり出して練習に臨むというのは、少なくとも走り幅跳びでは合理的です。
一見、休むというのは非生産的な作業ですが、ダラダラとマンネリ化した状態で取り組むよりは生産性を高めることになると思います。
合理性は競技を行ううえでは非常に大切なことだけど、集団は集団で社会生活を営むうえで大切なことだから、割りきってその集団の中で、可能な合理性を追求することです。
楽しさを十分に知らないうちにハードな練習ばかりを行うと、選手にとってはやらされている感じになり、つまらないことをやっているようになってしまいます。
2. 記録を伸ばすための方法
実際に走り幅跳びの記録を伸ばして上達する方法を考えてみます。
走り幅跳びの記録を伸ばすためのポイントは、① スピードある助走、② 高さのある踏み切り、③ トトーーンの踏み切りリズム、の三つです。
助走から踏み切りまでのリズムを音で表すと、トン トン トン トン トン ト トーーン です。
最後の2歩を素早く強く、階段を駆け上がるイメージで踏み切ることが大切です。
結果的に、助走ラスト1歩の間隔は狭くなり、10cm~20cmです。
このトトーーンで「タメ」をつくることがジャンプの高さにつながります。
さらに、助走のスピードは後半ほどスピードアップします。
前半から全力でやると、同じテンポで助走に入らないと踏切が合わない、ということになってしまいます。
助走の前半は力をぬいて走るのではなく、リラックスして走る、といった表現が合っています。
「幅跳びの助走は100mを走るのではなく、200mを走るイメージで」と表現する指導者もいます。
走幅跳の選手に求められる適正や資質は次のようになります。
(1)短距離走が速い・・・瞬発力がある跳躍選手は、短距離選手でもある。
(2)バネがある・・・筋肉や腱が弾力性に富み、靭帯が強くて太い。
(3)空間認知能力やボディーイメージがある・・・踏み切り動作や空中動作が巧みにできる。
(4)調整力がある・・・助走のリズムや踏切前のリズムアップが調整できる。
(5)集中力がある・・・3回の試技の各間において、その都度、気持ちをコントロールできる。
(6)思い切りがよい・・・踏切の一歩を迷い無く出すことができる。
初期段階で身に付けたい走幅跳の技能としては、下記のものがあげられます。
(1)伸びやかでバネを感じるダイナミックな疾走(助走)・・・スピードだけに頼らない。
(2)助走を活かした素早い踏切・・・踏切板に向かって駆け込み、駆け上がるイメージ。
(3)着地を有利にする跳躍フォーム・・・上体を伸ばしてから腰を折り、脚を前に投げ出す着地。
このようにして、自分の弱点はどこにあるかを常に考えてよく練習を強化しましょう。