「走り幅跳び」での「腹部の引き締めのやり方とコツ」について説明します。
腹部をきたえると、ジャンプや空中姿勢や着地での足の動きを制御することができるようになり、確実に遠くに跳べ、記録が向上し、間違いなく上達します。
1. 「腹部の引き締め」に対する考え方
腹部の引き締めとは、腹筋を鍛えることで腹が絞まり硬くなります。
その典型的方法に、「上体起こし」があります。
上体起こしとは、仰向けで寝た状態から上体を起こし、また横になり状態を起こすということを繰り返す、いわゆる腹筋運動です。
やり方・方法は、膝を90度に曲げてあお向けの姿勢で横になり、胸の前で腕を組んだ状態から体を起こし、両肘を両太ももにつけます。
その後また元の姿勢になるということを繰り返します。
練習のためのコツ・テクニック・ポイント・裏ワザを紹介します。
●股関節周りのストレッチをしっかりと行う。
上体起こしでは、腹筋をだけを使って体を起こすものだと思いがちですが、実際には、足の筋肉も使っています。
特に、股関節周りはしっかりとストレッチをしておきましょう。
首や股関節のストレッチ足上げなどを行い、体を温めておくと良いでしょう。
●あごを引く
忘れがちなポイントですが、あごはしっかりと引きましょう。
特に上体を起こす際は、早く上体を起こそうという気持ちが先行するとあごが上がり気味になります。
あごを引いておいた方が、力が入りやすく、好成績につながります。しっかりと意識しましょう。
●腰を丸める
これは、コツというよりも怪我の防止のためです。
腰を伸ばしたままであったり、反った状態で行うと怪我の原因になります。
効率的に体を動かせるだけでなく、未然に怪我を防ぐという意味でも腰は丸めた状態で、行うようにしましょう。
●足の力を使う
上体起こし運動は、腹筋とも呼ばれることから腹筋のみで上体を起こすものと思われがちですが、実際には足の力も使っています。
そこで、上体を上げる際に、腹筋ではなく足(特に股関節周り)に力を入れる意識で行うと良いでしょう。
足の筋肉は、人間の体で一番大きい筋肉なので、その分大きな力がでます。
●上体を下げるときは力を抜く
上体を起こした体勢から、あお向けの体勢に戻るときには、しっかりと力を抜き、重力に任せて体を落としましょう。
特に、股関節周りには力が入りがちなので、その部分を意識すると良いでしょう。
●起き上がるときは、反動を利用する
上体を起こした後に、元のあお向けの姿勢に戻ります。
この時、地面に背中をつけます。
この地面に背中をつける際に、背中に力を入れ、地面に打ち付けるようなイメージを持ちましょう。
そして、地面に背中を打ち付ければ自然と体が持ち上がりやすくなります。
これを反動といいます。
地面に打ち付けた反動を利用し一気に上体を持ち上げましょう。
2. 腹部の引き締めトレーニング
上達するための腹部の引き締めトレーニングを走り幅跳びに活用するための全体のメニューを紹介します。
①筋力トレーニング 20分
スーパーサーキット
①斜め懸垂(懸垂5回)30回 ②腹筋 ③ハードルジャンプ15回 ④背筋 ⑤デプスジャンプ
・スーパーサーキットのねらい
※筋力アップと心肺機能向上、短時間での効果的な体力アップのトレーニングなので、十分な自覚を持たせて行うことが大事(気合をいれてやらないと怪我します)
② 幅 スタートダッシュ 30m×3 30分、全助走足合わせ 4~5本、短助走跳躍 20本、全助走跳躍 10本
③筋力トレーニング 20分
※筋力・筋パワー養成系のトレーニングを選んで行う。
A 腹筋・背筋・懸垂
B ハードルジャンプ・デプスジャンプ
C スクワット・ヒールレッグアップ・ベンチプレス
④200mジョッキング+ストレッチ 10分
※クーリングダウン
このようにして、腹筋と他の運動を適度に組み合わせて、走り幅跳びの記録を伸ばせるように練習しましょう。
初心者の場合、上記メニュー事例の50~70%でもよい。